2023年11月03日
2023年 第43週 (2023.10.23~ 2023.10.29)
★県内で注目すべき感染症
(注意点や予防方法)
〇インフルエンザ
県内では、新シーズンの始まりである第 36 週(9 月 4 日~10 日)に定点当たり報告数が 3.11(報告人数:137 人)と 1.00 を超え流行期に入り、以降増加傾向となっています。
全国でも、令和 4 年第 51 週(12 月 19 日~25 日)に流行期入りして以降、インフルエンザの流行の目安とされている 1.00 を下回ることはなく、直近の 9 週は連続で増加しています。
また、学校等では集団発生による学年閉鎖、学級閉鎖が多数報告されているので注意してください。
インフルエンザ定点医療機関における迅速診断ではインフルエンザ A 型が 925 件(99.8%)、インフルエンザ B 型が 2 件(0.2%)となっています。
国内のインフルエンザウイルスの検出状況は、直近の 5 週間(2023 年第 39 週~2023 年第 43 週)ではAH3 の検出割合が最も多く 64.8%、次いで AH1pdm09 が 33.3%、B ビクトリア系統が 1.8%の順でした。
インフルエンザは、例年 1 月~2 月頃にピークとなる疾患ですが、すでに県全域で注意報値を超えているので、インフルエンザワクチンの接種を希望される方は早目に接種しましょう。
ワクチン接種を希望される方へ
・ 接種に当たっては、あらかじめ医療機関に電話等で予約をお願いします。
・医療機関訪問時は、マスクの適切な着用などの感染対策の徹底もお願いします。
・ インフルエンザワクチンは重症化予防などの効果がある一方で、発病を必ず防ぐわけではなく、接種時の体調などによって副反応が生じる場合があります。
医師と相談のうえ接種いただくとともに、接種後に体調に異変が生じた場合は医療機関にご相談ください。
・ インフルエンザワクチンと新型コロナワクチンは同日に接種することが可能です。
ただし、新型コロナワクチンは前回接種からの間隔等の要件があるため、必ず同日に接種できるわけではありません。
○A 群溶血性レンサ球菌咽頭炎
この病気は A 群レンサ球菌による上気道感染症です。
患者の咳やくしゃみなどのしぶきに含まれる細菌を吸い込むことによる「飛沫感染」あるいは細菌が付着した手で口や鼻に触れる「接触感染」が主な感染経路になります。
典型的な症状は、2~5 日の潜伏期を経て、突然 38℃以上の発熱、咽頭発赤、苺状の舌などがみられます。
1 週間以内に症状は改善しますが、まれに重症化し、喉や舌、全身に発赤が拡がる全身症状を呈することがあります。
<予防方法>
・患者との濃厚接触を避け、手洗い、咳エチケットを心掛けましょう。
○新型コロナウイルス感染症(COVID-19)
<予防方法>
・手洗い・消毒は感染予防に特に有効です。
・密閉・密集・密接の回避と家やオフィスなどの換気を十分にしましょう。
・医療機関受信時や混雑した電車やバスに乗車する時など、効果的な場面でのマスク着用をお願いします。
○咽頭結膜熱
頭結膜熱は発熱・咽頭炎及び結膜炎を主症状とするアデノウイルスによる急性の感染症です。
潜伏期は5~7 日で、症状は発熱、咽頭炎(咽頭発赤、咽頭痛)、結膜炎が三主症状です。
プールを介して流行することが多いことから、「プール熱」とも呼ばれています。
また、アデノウイルス感染症は定点医療機関からのホット情報でも報告が多いので注意が必要です。
<予防方法>
・手洗い・うがいが大切です。
流水と石けんでよく手を洗いましょう。
・タオル・コップ等の共用、感染者との密接な接触はさけるようにしましょう。
・回復後にも2 ~4 週間の長期にわたり便からウイルスが検出されることがあるので、特に、外出後、食事の前、トイレの後の手洗いを徹底しましょう。
【高知県 衛星環境研究所
感染症発生動向調査(週報)より参照】
(2023年11月1日更新)